スマートホスピタルで進化する医療現場

病院運営における課題

  • 高コスト・高負荷な運営構造:病院は24時間365日稼働する特性上、エネルギー消費や環境負荷が大きく、高コストな運営構造となっています。
  • スタッフのリソース不足:人員不足や業務負担の大きさが課題となっており、日本医労連の調査では、人員が少なく業務過密(85.3%)や看護業務以外の業務の多さ(47.5%)が指摘されています(※1)。
  • 分断されたシステムと設備:医療システムと建物の設備が独立して運用されているケースも多く、診療状況に応じた柔軟な設備制御が難しいなど非効率が生じています。

スマートホスピタルにおける取り組み

 このような病院運営におけるコスト負担や人手不足、システムの分断といった課題がある中、コルテルッチ・ヴォーン病院は、30年にわたるジョンソンコントロールズとの官民連携パートナーシップを通じて、病院運営の長期的な効率化を実現しています。同施設は、IoT技術とジョンソンコントロールズのスマートシステムによって高度に統合されたスマートホスピタルで、臨床システムとビル管理システム(BMS)を連携させることで、運営の効率化と患者ケアの向上を図っています。MetasysビルオートメーションシステムやOpenBlueスマートビルプラットフォームといったデジタルソリューションの活用により、スタッフが患者ケアにより注力できる環境を実現しました。

デジタルソリューション導入による成果

 ジョンソンコントロールズが提供するソリューションは、病院運営における課題に対して具体的な成果を生み出しています。

  • 運営効率の抜本的な向上:統合ビルソリューションの導入で、コルテルッチ・ヴォーン病院は、施設の天然ガス消費量を44%、温室効果ガス排出量を28%、総エネルギー使用量を19%削減しました。その結果、同病院は地域の急性期病院の中央値と比べて、単位当たりのエネルギー消費が33%少なくなっています。さらに、OpenBlueの活用により、設備のトラブル対応や原因特定が効率化され、年間約4,000時間の工数を削減しています。これにより、エネルギー・設備運用の負荷とコストを抑えつつ、持続可能な運営の実現に寄与しています。
  • 人的リソースの最適化:デジタルツールを活用することで、スタッフによる設備の予防保全にかかる作業時間を年間約600時間削減。その結果、患者ケアや満足度向上といった付加価値の高い業務へリソースを再配分できるようになりました。
  • 安全性の向上:高度な安全管理システムの導入により、休業災害ゼロが1,500日以上継続し、労働災害が発生しやすい医療現場において、スタッフと患者双方にとって、安心して働き、利用できる環境の実現に寄与しています。

ジョンソンコントロールズの提供価値

 コルテルッチ・ヴォーン病院のスマートホスピタルの事例は、エネルギー効率、設備運用、人材活用、安全性を個別に改善するのではなく、病院運営全体を最適化している点に特徴があります。ジョンソンコントロールズは、設備やシステムの提供にとどまらず、デジタルソリューションを活用しながら、病院運営を効率的かつ持続可能な形へと転換するパートナーとして機能しています。これにより、医療の安全性と継続性を支える基盤の強化に貢献しています。

 マッケンジー・ヘルス 戦略・臨床支援担当 エグゼクティブ・バイスプレジデント デビッド・ストルテ氏は、「ジョンソンコントロールズとのパートナーシップにより、病院運営と患者ケアの両面で改善を実感しています。特に高度な安全性が求められるエリアにおいても、病院運営への影響を最小限に抑えることができています」とコメントしています。

国内の病院運営の最適化

 日本では、高齢化や人手不足を背景に、医療現場の効率化の重要性が高まっています。こうした中で、医療インフラの最適化やデジタル化は病院運営を支える重要な要素となっています。

 ジョンソンコントロールズは、医療現場に求められる安全で信頼性の高い運用環境を、設計、運用、保守まで一貫して担えるパートナーとして支え、デジタルソリューションを活用した病院運営の最適化をさらに推進していきます。

※1:日本医労連・全大教・自治労連「2022年看護職員の労働実態調査」(問36)
https://irouren.or.jp/research/f6a64588fc90e36066dbe8d9989559c53770e353.pdf

2026年8月17日

共有