国立劇場おきなわ

2019年10月20日

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課題 Challenges
  • 劇場全体ではなく、部屋ごとの空調の設定・制御
  • 老朽化した設備改修工事、劇場を運営しながらの更新工事による省エネ化の実現
  • 劇場利用者にとって最適な環境の実現
  • 公演や稽古場などの突発的なスケジュール変更に対応可能なシステムの導入
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    ソリューション Johnson Controls solutions 
  • 効率的な空調を実現するMetasys® ビルオートメーションシステムの導入
  • 他社製の既存設備の有効活用や将来の拡張などを視野に入れたシステム設計
  • BACnet ® の通信が可能なHVACインバーターの採用
  • 運転や制御の細かなスケジュール設定が容易に行えるユーザーインターフェース
  • 劇場運営を妨げない綿密な工事計画の立案 


  • 成果 Results
  • 監視制御点数を600 点から700 点に増加、よりきめや細かな空調制御と、劇場内の快適環境の維持を実現
  • BACnet® を使ったオープンシステムの採用による、既存設備の活用と設備機器の選択肢拡大
  • リモートオペレーションセンター(ROC) の活用で、中央監視へのアクセシビリティが向上し、タブレットやPC から緊急時の早期対応が可能に
  • 視認性が高く使いやすいユーザーインターフェースでエネルギー管理が容易になり、省エネ化に貢献
  • 劇場運営を行いながらの難工事を高い技術力で完了し、80 点以上が優秀と言われる「工事成績評定」において93点を獲得
  • 「観客、出演者、職員の安全性を確保しながら短期間で工事が進められたのは、 綿密な施工計画と徹底した安全管理、 ハイレベルな施工技術のおかげです」

    公益財団法人国立劇場おきなわ運営財団 高江洲 栄達氏
    沖縄県ビルメンテナンス協同組合 喜納 政信氏

    琉球王朝時代から受け継がれてきた、沖縄の多彩な伝統芸能の殿堂
    現在、独立行政法人日本芸術文化振興会が所有する6つの国立劇場の1つが「国立劇場おきなわ」です。
    大小2つの劇場では、ユネスコの世界無形文化遺産「組踊」や国の重要無形文化財である「琉球舞踊」をはじめ、琉球音楽などさまざまな沖縄の伝統芸能の公演が行われています。また、劇場所蔵の芸能関係の図書や雑誌、新聞の閲覧、劇場の自主公演の記録映像を視聴できる「レファレンスルーム(図書閲覧室)」や、公演に合わせた企画展を行う「資料展示室」もあり、沖縄独自の民族芸能について楽しく学べる施設も充実しています。
    「組踊」とは、琉球王朝で創作された音楽・台詞・演技からなる歌舞劇で、1972年の沖縄県が本土復帰を果たした年に、国の重要無形文化財に指定されました。ところが、当時の沖縄には組踊をはじめとする沖縄の伝統芸能を公開する専用の施設がなく、技芸の継承・伝承者の育成や調査研究の場がないことも大きな課題となっていました。こうした危機的な状況に、沖縄県、および地元関係者からの強い要望があり、沖縄の伝統芸能の普及・保存振興・伝統芸能の継承者の育成事業を図る拠点施設として建設されたのが、当劇場です」と国立劇場おきなわ設置の経緯について語るのは、公益財団法人国立劇場おきなわ運営財団の高江洲栄達氏。

    沖縄らしさと、自然環境と共生した沖縄独自の建築様式をモチーフに
    独創的な外観デザインは、沖縄らしさや沖縄の伝統的な建築様式が取り入れられているとのことで、「外観デザインは、琉球王朝時代の民家や家屋建築に見られる形態をモチーフにしているのが特徴です。まず、日差しを和らげるため、網代状に竹を編み込んだ『チニブ』と呼ばれる外壁を採用しています。反り返った外壁は「雨端(あまはじ)」という軒下空間を作り出し、雨風や直射日光を遮るため庇のような役割を果たしています。これらは、昔ながらの懐かしい沖縄を感じさせると同時に、蒸し暑く台風の多い沖縄の気候を凌ぐための、先人たちの知恵の結集でもあります。朝、空調を入れる前も思った以上に暑く感じないのは、こうしたデザインのおかげで、前日の涼しさが天井や壁、床などに残っているのかもしれません」と高江洲氏。
    続けて、沖縄県ビルメンテナンス協同組合の喜納政吉氏からは、「意匠空間を損なわないようにするため、空調・照明機器などには格子状のルーバーをつけて極力目立たなくさせ、さらに空調システムにも影響が出ないよう施工に考慮されているのも特徴です」と、お話しいただきました。

    ビルオートメーションシステムと空調自動制御設備の刷新で、劇場運営の効率化を実感

    当社は、2003年の竣工時より自動制御システムと中央監視装置を納入しており、月1回の保守点検を実施していました。しかし、設備機器の老朽化に伴う更新を機に、最新システムへのリニューアルをご提案。約半年の工期を経て、最新のメタシスビルオートメーションシステムを導入し、空調・熱源設備の効率的な自動制御はそのままに、中央監視室からの監視ポイントを600点から700点に増やすことで、より細かな個別制御やオペレーションの効率化を実現しました。さらに、BACnet®を使ったオープンシステムの採用により、既存設備や他メーカー機器の接続を可能にしたほか、設備機器の選択肢が広がり、導入・運用・保守コストの削減・最適化も実現。さらに、リモートオペレーションセンター(ROC)を活用することで、建物内のどこにいてもタブレット端末で空調・熱源設備の監視・操作も可能にしました。また、BACnet®通信が可能なインバーターを採用したことにより既設動力盤の改造なしに電力使用量の把握が容易に行えるようになり、電力量削減による省エネ化に貢献しました。
    喜納氏からは、「当劇場には、劇場、楽屋、稽古室、ホワイエ、ロビー、資料室や展示室、劇場職員の事務所など、用途・規模が異なるさまざまな空間が混在しており、天候はもちろん、劇場という特性上、公演日やお客様・出演者の数により空調の効き方や体感温度は異なります。そのため、各空間の使用状況に合わせた空調の温度設定や運転管理の自動化、きめ細かな制御が求められます。新しいシステムになってからは、細かな設定もわかりやすい画面で簡単に操作できるようになり、非常に助かっています。また、不具合が生じた場合、タブレット端末を持って現場に行けば中央監視室と同様の作業が行えるようになり、設備管理者の利便性・操作性・効率性も格段に上がりました。新しい設備は劇場を運営しながら導入していただきましたが、ジョンソンコントロールズさんには大きなトラブルもなく、予定工期より1ヵ月ほど短縮して工事を終了していただきました」とお話しいただきました。こうした工事が高く評価された結果、80点以上で優秀とされる独立行政法人日本芸術文化振興会による工事成績評定において、当社は93点を得ました。
    続けて高江洲氏からは、「このようにスムーズに、かつ安心・安全に工事を進められたのは、工事全体の綿密な施工計画や安全管理を示していただき、発注元の独立行政法人日本芸術文化振興会の要望を汲んでくださったからだと思っています。また、国立劇場として光熱水費の削減は課題となっていますが、電力消費量の削減が実績として結果に結びついているのも、ジョンソンコントロールズさんのおかげです」とうれしいお言葉をいただきました。
    今後については、喜納氏から「多くの機能を搭載した非常に完成度の高いシステムを提供していただき、使いこなせていない機能や効率的な使用方法に気づいていないことも多いと思いますので、引き続きサポートしていただけるとありがたいです」と期待を寄せていただきました。

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