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東京都現代美術館
空調機自動制御で、美術館特有の精緻な空調コントロールを実施。 省エネの取り組みも始動
東京都現代美術館

空調機自動制御で、美術館特有の精緻な空調コントロールを実施。 省エネの取り組みも始動
METASYS®による中央監視

空調機自動制御で、美術館特有の精緻な空調コントロールを実施。 省エネの取り組みも始動
左):東京都現代美術館 管理課管理 係長 門馬 尚高 氏 右):東京都歴史文化財団 事務局財 務課施設管理係主任 横山 民雄 氏

空調機自動制御で、美術館特有の精緻な空調コントロールを実施。 省エネの取り組みも始動
高さと奥行きのある洗練されたエントランスホール

空調機自動制御で、美術館特有の精緻な空調コントロールを実施。 省エネの取り組みも始動
高さ19mの吹き抜けの展示室は天窓から自然光を採光

- 美術品への影響を考慮した空調コントロール
- 24時間運転を行いながら、省エネルギーを図る取り組み
- 空調機自動制御の妥当性の確認
- 美術館として開館し続けながらの改修作業
ソリューション Johnson Controls solutions
- 空調機自動制御において、起動時の温度を室温に近づける
- 外気取り入れを停止するモードを設定 電動弁、ダンパ、加湿器などの制御機器の状態をグラフィック表示
- 臨機応変に対応できる施工体制
成果 Results
- 室内の温度変化を最小限に抑え、なめらかな空調を実現
- 夜間の外気取り入れを停止することで、エネルギーロスを抑制
- 空調機の制御状態がグラフィック画像で一目瞭然に
- 開館日スケジュールに影響を与えることなく改修を完了
「美術作品が必要としているのは、なめらかな空調です」
東京都現代美術館 管理課管理係長 門馬 尚高 氏 東京都歴史文化財団 事務局財務課 施設管理係主任 横山 民雄 氏
現代の美術動向を発信するコンテンポラリー・アート空間
東京都現代美術館(Museum of Contemporary Art Tokyo)は、現代美術の振興を図り芸術文化の基盤を充実させることを目的として1995年3月に開館。地上3階地下3階、延床面積33,515㎡という美術館として日本最大規模の施設を誇り、4,000点を超える収蔵作品を活かした現代美術の流れを展望できる常設展示や、大規模な国際展をはじめとする特色ある企画展示など、絵画、彫刻、ファッション、建築、デザインなど幅広く現代美術に関する展覧会を開催しています。また、美術関係図書約10万冊を揃えた美術図書室を備え、美術に関する情報提供、教育普及を目的としたワークショップや各種講座や講演会などの美術を広める活動も行っています。
1995年の開館時から空調システムを担っていたジョンソンコントロールズは、建築後15年の設備更新改修も担当させていただくことになりました。
美術館特有の精緻な空調コントロール
東京都現代美術館は大小さまざまな展示空間を備えています。特に、常設展示室と企画展示室内のアトリウムは、ひときわ広大な吹き抜けスペースとなっています。美術作品の展示という特殊な環境では、特にシビアな空調コントロールが必要になるとのこと。 東京都現代美術館 管理課管理係長 門馬 尚高 氏は、「美術作品は次世代へ引き継ぐべき社会の財産であるという認識に基づいて、運営管理しています。収蔵庫は通年、室温20度、湿度55%に設定。展示室もお客さまの数に関わらず一日の室温、湿度に変化の無いよう調整しなければなりません。しかしさすがに15年も経つと設備は老朽化し効率も悪くなってきたため、設備更新ということになりました。入札によってジョンソンコントロールズさんに決まりましたが、現システムも担当されていることもあり、今回の改修もスムーズに対応してもらえました」と語り、続けて「かなりの規模の改修ですから設備のアップグレードはもちろんですが、実は施工のことがかなり気になっていました。というのも、美術館として開館しながらの施工で、休館日である月曜日しか作業できなかったからです。しかし日曜の閉館後からすぐに作業をはじめ、火曜の朝までに終了するという独自の施工体制を整えてもらえたのは、非常に助かりました。他にも展示作品の入替えのタイミングを狙って工事したりなど、工期自体は長くなりましたが、きめ細かく対応してくれたことで美術館の営業に影響を与えることなく無事改修を終えることができました」と、当時の不安などについても話していただきました。
急激な温度湿度変化のない『なめらかな空調』
東京都現代美術館の事業主体は東京都で、管理運営は東京都歴史文化財団が担っています。今回の改修では株式会社日本ベックが設計・監理を担当、施工をジョンソンコントロールズが行いました。改修にあたり、東京都歴史文化財団から依頼されたポイントは3点。(1)温水弁/冷水弁の開度が視覚的にわかるようにする。(2)自動制御で室内の温度差をできる限り小さくする。(3)データを記録として残せるようにする。 美術館の室内環境は、急激な温度湿度変化のない『なめらかな空調』でなければならないと教えて下さった東京都歴史文化財団、事務局財務課施設管理係主任 横山 民雄 氏は、「ジョンソンコントロールズさんは、お願いしたポイントをいずれも高いレベルでクリアしてくれました。温水弁/冷水弁はモニターでグラフィカルに表示されていて、その開度も一目瞭然です。室温と給気の温度差は、起動時の給気温度を室温に近づける設定によって、これまで以上になめらかな起ち上がりになったと感じています。空調データも記録として残せるため、企画展など、他の美術館から作品をお預かりする際に東京都現代美術館の空調管理データとして提出できます」と、話してくださいました。さらに「制御機器の可視化によって、設備機器の状態も具体的に見えるようになってきました。たとえば空調機器の除湿能力低下などが数値で明らかになったのですが、おそらく設備の経年劣化によるものでしょう。予定されている大規模修繕の際、役立つデータになりそうです」とのコメントをいただきました。
省エネルギー化への取り組みも始動
東京都現代美術館では一部空調システムの24時間運転を行っていますが、改修に伴い省エネルギーにつながる取り組みにもチャレンジしています。閉館後の夜間、外気の取り入れを停止するモードを新たに設定。夜間換気による空調エネルギーロスを抑えることで省エネ化を図っています。 「美術館というのは特殊な建物です。急激な温度や湿度の変化で、美術館の命である作品に影響を与えないよう、常に気をつけています。ジョンソンコントロールズさんは、海外の美術館の空調システムでも実績があると聞いていましたが、なるほど美術館のことが分かっているなと感じました。今後は記録データの分析などでアドバイスをもらえるとありがたいですね」と、横山主任から期待の言葉をいただきました。