「脱炭素化」とは地球温暖化や気候変動につながる温室効果ガスの排出量を「実質ゼロ」にすることで、持続可能な未来の実現に向けた重要な取り組みの1つを指しています。これは2015年12月にフランス・パリで開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で、世界約200ヵ国が温暖化対策を進めていくために、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して、2℃より充分低く抑え、1.5℃に抑える努力を追求することを目的とした「パリ協定」への合意が背景にあります。この目標を達成するため、各国はIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が示す科学的根拠に基づいて、温室効果ガス排出量を実質的にゼロにする、「脱炭素化」を目標として定めています。
このような目標を確実に達成するため、各国政府は企業に対し、排出量の削減規制を強化しており、企業は取り組み状況を正確に把握・報告するため、様々な国際イニシアティブや非営利団体が提供する情報開示の仕組み(CDP、RE100)や科学的根拠に基づいた目標設定(SBT)のサポートを活用しています。さらに、投資家は企業のこのような取り組みを評価し、 投資する動きも強まっており、企業にとっては脱炭素化への取り組みは、もはや事業継続に関わる重要施策となっています。
脱炭素化を推進するうえで、今注目されているのが建物です。建物は世界の温室効果ガスの排出量の40%に起因すると言われており、建物を脱炭素化することがサスティナビリティ経営を大きく前進させると期待されています。 ジョンソンコントロールズが、2023年8月にForrester Consultingに委託し、日本の171名を含む、世界25ヵ国のスマート ビル戦略を担当する意思決定者 3,445 人を対象に実施した調査によると、調査に参加した日本の回答者の71%は、ビルの二酸化炭素排出量削減の目標達成に向けた取り組みが順調に進んでいると回答し、また、回答者の66%がは、サスティナビリティを推進するには「スマートビル」が重要であると回答しています。しかしながら一方で、ほぼ同数の69%もの回答者が、スマートビル実現に向けた技術的な専門知識が不足しているという課題を抱えている実態も明らかになりました。
1:エネルギーマネジメントをビル単位から企業単位へ
従来は、1つのビルに1つのEMSを導入していたほか、メーカーによって機種・機能が異なり、さらに施設ごとに異なるスキルの管理員がいたため、エネルギーの一元管理が困難でした。OpenBlue Enterprise Managerは、メーカーを問わずエネルギーマネジメントを一元化でき、複数の施設を同じダッシュボードで表示、無駄の特定、運用最適化、省エネ施策の効果維持などに貢献します。
2:不具合検知機能(FDD)による先回りした運用改善
中央監視装置の警報だけではわかりづらい不具合や無駄な運転を早期発見・通知します。
3:複数施設の中央監視をメーカー問わずリモート管理
遠隔地の中央監視システムに安全にアクセスできるほか、メーカーを問わず、現地の中央監視システムと同じUIで現場の状況を管理・操作できます。
キャンパスのデータ分析にOpenBlue Enterprise Manager を使用しています。リアルタイムにデータを収集して分析し、チームによる使用状況を可視化し、さらなる効率化のためのトレンドと機会を発見できるようにしています。AIを駆使して障害を予測し、エネルギー使用を最適化、設備のパフォーマンスの向上も実現しています。OpenBlue Enterprise ManagerとMetasysの採用により、年間27.9%の省エネを達成しました。また、テクノロジーによる深い洞察により、主要機器の98%以上の稼働率を達成し、運用の自動化レベルの向上にも貢献しています。
より詳しく一昨年末よりOBEMと「省エネコンサルティングサービス」をご利用いただいており、お客様からも非常に好評です。本事例が成功事例の1つとなり、都内の大型ビルでも同様にOBEMと省エネコンサルティングサービス導入を決定いただきました。
BAS(ビルオートメーションシステム)やBEMS(ビルエネルギーマネージメントシステム)の各種製品やサービスに対して先端技術等最高品質を追求し、豊かさや価値を提供しています。