岩手県立中部病院

2019年1月1日

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課題 Challenges
  • 技術者の経験に頼っていた制御技術の継承と負担軽減
  • エネルギー効率の向上による省エネの実現
  • 病院利用者にとって最適な環境の実現


  • ソリューションJohnson Controls solutions
  • 技術者のノウハウで手動運用してきた蓄熱槽制御に、立ち上がり負荷予測により最適制御を実現する特許技術「空調負荷予測装置及び空調負荷予測方法」を活用
  • リモートオペレーションセンター(ROC)を活用した予防保全
  • 電気メインの熱源システム構築によるエネルギー効率の向上


  • 成果 Results
  • ビッグデータを活用した制御システムによる、エネルギー効率の最適化、施設運営の効率化を実現
  • 保守契約とROC契約により、緊急時の早期対応を可能にし、快適環境維持に貢献
  • 東日本大震災発生時にも電気メインの熱源システムにより、空調システムの最適運用と病院運営を実現
  • 「環境にやさしく、患者さんに安心で安全な医療を提供する快適な環境を整備できただけでなく、省コスト・省人化も実現してくれました」

    エーワメデック株式会社 菅原 光雄氏

    安心・安全な医療を提供できる地域中核病院として開院

     岩手県立中部病院は、岩手中部保健医療圏(花巻市・北上市・遠野市・西和賀町を中心とした人口約24万人の地域)の中核病院として、花巻厚生病院と北上病院を統合し、2009年4月1日に開院。
    病床数は434床(一般390床、緩和ケア24床、結核20床)、25診療科体制となっており、岩手県内の県立病院(20病院、6診療センター)の中で、精神科を除いた一般病床数では、県立中央病院に次ぐ規模であり、地域中核病院としての役割を担っています。
    主な特徴として、地域がん診療連携拠点病院であり、放射線診断(MDCT、MRI、PETなど)、放射線治療、独立棟の緩和ケア病棟を有し、質の高い専門的ながん医療を行うことが可能。また、災害発生時の地域災害拠点病院として、免震構造、ヘリポートや救急病棟などの機能も備えており、2010年9月付けで、「地域医療支援病院」にも指定されています。さらに2017年6月には、自治体立の病院で、地域医療の確保に重要な役割を果たしており、かつ、経営の健全性が確保されている病院として、総務省の「平成29年度自治体立優良病院会長表彰」を受賞しています。
    「岩手県立中部病院では

    、患者さんの権利の尊重を大前提に、『地域の人々の生命と健康を守り、地域医療の充実発展に貢献します』という病院理念を掲げています。そのため私たちは、利用者の皆さんにとって安心・安全な医療を提供する快適な院内環境を目指すとともに、感染予防にも貢献するような施設運営をしなければなりません」と語るのは、岩手県立中部病院の空調・電気設備の運転保守業務を担当する、エーワメデック株式会社の菅原光雄氏。
    続けて、「岩手県立中部病院では、移転新築計画時から太陽光発電などクリーンエネルギーの導入を掲げており、病院棟2階には平置きタイプ太陽光パネルを280枚設置。設備容量は50kWで、発電した電力は、病院内の照明などの電力の一部に利用しています。さらに、照明と空調をスケジュールで制御することで、きめ細かな省エネ運転を実施しているほか、高効率インバーターターボ冷凍機と組み合わせた水蓄熱槽を採用し、災害時には、蓄熱槽からの冷水の直接供給を行えるとともに、雑用水や飲料水としても利用が可能です」と、岩手県立中部病院の省エネや災害時の取り組みについてお話しくださいました。

    ビル管理・中央監視システムの導入で、省エネ・省人化を実感

     当社は、効率的な空調制御と省エネルギーを実現するビルオートメーションシステムMetasys®により院内の熱源と空調を自動制御。中央管視室からの監視・操作により、オペレーションの効率化を実現しています。本システムには、「空調負荷予測装置及び空調負荷予測方法(特許第5763955号)」を活用しており、過去の制御データからシーズンごとにエネルギー使用量を予測し、夜間に蓄熱した蓄熱槽のエネルギー負荷が最も高くなる朝の立ち上がりを効率的に運転・制御することで経験やノウハウに頼らない、データに基づく省エネ制御を可能にしました。さらに、当社の「リモートオペレーションセンター(ROC)」から24時間遠隔監視することで、院内の安全かつ効果的な稼動をサポートしています。
    「施設設備の24時間稼働、高度医療機器の利用など、医療施設はエネルギー消費量が大きくなる要素が多く、省エネや省CO2は難しいと言われていますが、開院当初から、年間1%以上のCO2排出量を削減することを目標に掲げ様々な省エネ施策に取り組んできました。その甲斐あって、岩手県立中部病院のエネルギー消費原単位は設立以来、経済産業省・資源エネルギー庁が策定する医療機関の標準的なエネルギー消費原単位を常に下回っており、2017年においては標準に対し24%以上も下回っています。(グラフ参照)また、CO2については排出換算量で2012年から2017年の5年で238tの削減を達成しました。視認性の高い中央監視装置の操作画面は各設備の温度設定、稼働状況が一目で確認でき、“見える化”できていること、さらに納入していただいているシステムの使いやすさは、職員の負担軽減に役立っていると思います。また、化石燃料ではなく電気をメインとした熱源システムを構築していただけたことで、2011年の東日本大震災発生時にも災害拠点病院として重症患者の受け入れができ、近隣にお住まいの方々の避難所としても機能できたこと、日々のメンテナンスにおける迅速な対応についても非常に感謝しています」と、うれしいお言葉をいただきました。

    病院利用者にとって快適な環境づくりを実現させるために

     今後について、「岩手県立中部病院は、県内の中核病院として日々多くの患者さんやご家族、病院スタッフが出入りしています。当然、1人ひとりが快適だと思える空調の設定温度は異なりますし、インフルエンザなどの感染予防を目的として、1時間に1回、各フロアの温湿度をはじめとした快適性を設備スタッフが実際に循環してチェックしていますが、日当たりや窓の大きさによる影響など、空調設定の難しい部分もあります。安心・安全そして患者様にとって快適な医療環境を提供しながら、さらなる省コスト化・省人化を図るべく、例えば、外来は人感・照度センサーを用いた空調や照明を自動制御するシステムを導入するなど、今以上に確実で細かな空調制御を導入できるとうれしいですね。また、気象条件なども取り込んだ予測制御やIoT / AIを活用した革新的な空調自動制御と設備運用効率化にも期待しています」と、期待を寄せていただきました。

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